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2007年4月20日 (金)

「唐獅子」:「新しい時間軸」

「空飛ぶ線の動揺」シリーズ6 「新しい時間軸」

 夏休みも終わり、真っ黒に日焼けした子供達が学校に戻ってきた。約四十日の長い夏休みの出来事をお互いに話し合っている。 夏休みの宿題はこなさなくてはいけないし、水泳教室、野外学習会、地域の年中行事等の多くの催物に参加したり、彼等は彼等なりに〈子供の時間〉の中で忙しく過ごしている。 ところで情報化社会の今日、日本中の〈子供の時間〉の均一性は驚くべき物がある。
 定期航路が三日に一度しか運航されていない吐喝喇列島・平島は、約三十戸の島で、人々は昔ながらにゆったりと半農半漁の生活を送っている。自動販売機や公衆電話もなく、生活に必要な日用雑貨は島にある二つの小さな店で調達する。若者達は中学を卒業すると島外に出ていくこの島では、伝統的な行事・習慣が多く残されている。この島の時間の流れは緩やかである。 ところが子供達の間で話される言葉や口ずさむ歌は、都会の子供達でも流行している言葉であり歌である。また多くの子供達(男の子)が手にしている玩具は、最新式の〈四輪駆動〉のラジコンであった。更に驚いたことに、多量のしかも些細な部分まで網羅した情報の質の高さである。
 平島の時間には、〈古〉と〈新〉極端な性格の二つの時間軸が存在している。
 また〈子供の時間〉の均一性といえば、現在流行している「ちびまる子ちゃん」というアニメがある。このアニメの主題歌は、ラジオやテレビから一日に何度となく流れる程。今年の盆踊りには、このアニメが放映されていない地域(先島など)でも頻繁に採用され、踊られたという。 情報化社会の日本の中で、地域という空間とその地域の文化が生み出す〈時間〉枠を超え、限りなく同質に近い文化に支えられた時間軸を持つ現代の子供達の〈時間〉は、あたかも螺旋を描く竜巻のように巨大で迅く、何を生み出し何処へ行くのか測り知れない。
                       1990年9月13日(木)「沖縄タイムス」掲載

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