屋嘉比収 『沖縄戦、米軍占領史を学びなおす』
日本近代思想史・沖縄学の研究者・屋嘉比収氏の新著『沖縄戦、米軍占領史を学びなおすー記憶をいかに継承するか』(世識書房、2009年10月30日発行)の紹介です。
沖縄の政治・文化への思考を、精力的に発表し続ける研究者の屋嘉比氏(1957年生まれ)。沖縄大学で教鞭をとるようになってからは、単著・共著も含めて立て続けに著作で発表される。
「記憶をいかに継承するか 耳を傾けること 耳を傾け続けること 耳を傾き継ぎ続けること 当事者性の身体化へ」とのコピーと、著者の「今、戦後世代の私達に問われている緊要なことは、非体験者としての位置を自覚しながら、体験者との共同作業により沖縄戦の<当事者性>を、いかに獲得していくことができるかにある」という言葉が帯に記されている。
沖縄戦、戦後沖縄の社会、現実に向き合う、著者の真摯な姿勢と思考の流れは、今を生きる私達に大きなものを問いかける。
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