映画「密約」
4月10日から那覇市桜坂劇場で上映されている映画「密約」を観た。(4月23日まで上映)
1972年の沖縄返還(本土復帰)に向けて、日本と米国での返還交渉の中で「密約」があったと 最近になって国が認めた(岡田外務大臣)。
日米間の極秘通信文書を東日新聞社の石山記者が外務省事務官の筈見から入手し報道した事件は外務省機密漏洩事件として、裁判で裁かれた。「密約」の存在自体は国によって当時もその後も頑なに否定され続けた。新政権によって?事態は一変し政府がその存在を認めたことは沖縄の現代史にとっても重要なことである。
この映画は1978年に制作、原作は澤地久枝(岩波現代文庫)。チラシにもあるように22年ぶりに沖縄でも緊急上映されている。
最近、国の密約を認めた直後に、当事者の石山氏と原作者の澤地さん、沖縄の研究者達が同席し、記者会見を開きコメントを発表していた。
私も今回始めてこの映画を観たが、沖縄をめぐる日本国家との関係性において、「何が問われるべきなのか」をあらためて考えた。
今日の迷走状態の普天間問題など、5月に政府方針が出されるようだが、5月には15日の復帰記念日もある。
沖縄にとって復帰とは何だったのか?まさにタイムリーな映画上映かと思う。 多くの人に見てもらいたい。
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