驚き!伊波普猷卒論発見のニュース
2010年7月26日(月)『沖縄タイムス』紙面をみて、久しぶりに驚いた。
沖縄学の父と称される伊波普猷(言語・歴史・民俗など研究者)の東京帝国大学(現東京大学)の卒業論文(1906年提出)が東京大学内で確認されたというニュース。
確認したのは、謝花昇、太田朝敷、伊波普猷の近代知識人研究の著作も多い日本近代史研究者の伊佐眞一氏。
伊佐氏の優れた資料発掘力は、これまでにも定評があるが…。
伊波普猷研究は多くの研究者が手がけ、全集も刊行されており…資料は出尽くした感があっただけに…。灯台下暗しというか…東京大学文学部図書館に保管されていた現物を伊佐氏が確認したのは、記事によると昨年12月…。
改めて伊佐氏に敬意を表するものである。と同時100年以上前に出された学生の卒論が残っていることに東大の歴史と資料の奥深さを認識する。
「琉球語の音韻組織並びに名詞代名詞数詞係結に就いて」のタイトルの卒論。
研究テーマでは従来の資料を使用していくだけではなく、まだまだ、資料は眠っているのだと…。
若い研究者も、パソコン内のデーターや刊行物のみ頼るのではなく、自ら新しい資料を発掘する意気込みが必要なのだと…当たり前のことを痛感したニュースでした。
来週の金曜日8月13日は、伊波普猷の命日にあたる。生前のペンネームから「物外忌」と呼ばれている。浦添市の浦添城址公園内にその墓はあり、沖縄研究者だけではなく、それぞれの立場で訪れる場所にもなっている。
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