2025年12月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
ガジェットギャラリー
無料ブログはココログ

« 2011年9月 | トップページ | 2011年11月 »

2011年10月

2011年10月 3日 (月)

展示会「東松照明と沖縄 太陽へのラブレター」

Photo  
 写真家・東松照明(1930-)の8年ぶりの沖縄での個展「東松照明と沖縄 太陽へのラブレター」が開催されています。

 *会 場:沖縄県立博物館・美術館
 *2011年9月23日(金)ー11月20(日)
 *戦後日本の写真史に重要な足跡と沖縄写真家に影響を与えた東松の戦後日本の写  真、沖縄をとらえた写真、2011年に撮影された最新作まで240点(モノクロ128点、カラー112点)が展示。

 Photo_3 チラシに採用された写真は、渡嘉敷で撮影(1973)された、白髪の女性が深い森の中へ歩いていく後ろ姿をとらえた一枚。沖縄を42年間取り続け、80歳を越えた東松の心情を象徴しているような写真が採用され、なかなか感慨深い。
 Ⅰ~Ⅴ章で構成された展示空間はそれぞれのテーマで味わい深い。1950年代から70年代のあまりにも有名な東松作品はもちろんのこと、後半展示の大型カラープリント作品群は、強烈な日差しの中で鮮やかな色をあふれんばかりに放つ沖縄やアジア感をとらえて新鮮な色の隠喩性を印象付けられ楽しめた。
 1969-1973年に撮影され写真集『太陽と鉛筆』作品中心のⅢ章では、「さびしさを思想化せよ」というテーマ。訪れた先島(宮古八重山)で「ひもじくないか」という声かけとともに宮古では「さびしくないか」の言葉をかけられた経験の中で東松が撮った島での写真群。強烈な太陽の元での<乾き>(自然や心情)の充ちた写真作品は宮古で撮影されたものに多い。写真集発刊当時から約40年の時間が流れた今日…東松作品と向き合う時その「さびしさを問うた」島の世界をどれほど手繰り寄せられるのだろうか。
 10月30日(日)には関連シンポジウムも企画される。

朝岡康二『雑器・あきない・暮らしー民俗技術と記憶の周辺』

 冶金学・鍛冶技術史専門の朝岡康二先生(国立歴史民俗博物館名誉教授・元沖縄県立芸術大学学長)の新著の紹介。

2011
 著者:朝岡康二 『雑器・あきない・暮らしー民俗技術と記憶の周辺』考古民俗叢書
 慶友社(東京)、2011年8月19日発行
 著者は日本民具学会・道具学会の会長も務められた<モノ研究>の重鎮の研究者です。 
 構成はⅠ職と職人・道具と民具、Ⅱものとわざの伝播 Ⅲくらしの場の変容と記憶 Ⅳ記録された技術 Ⅴもの・わざ・からだと資料化で、民具、道具の概念論から中国・ネパール・スペイン等の鍛冶技術や資料などの紹介、身体活動の画像デジタル化など幅広い内容が扱われており、素朴な表題につながりつつも、理論実践面の<モノ研究>の現代における可能性を示唆する興味深い内容です。民俗学研究や民俗記録デジタルデーター化などの面でも参考になります。
 沖縄関係の論稿(近代の首里・那覇の町、八重山石垣の村落、宮古八重山の鍛冶関係資料とその中の技術について)も複数収録されているので以下紹介します。

 Ⅲ、暮らしの場の変容と記憶
  一、沖縄の「町」の形成
  二、八重山の村落の変遷
 Ⅳ、記録された技術
  一、宮古・八重山の『鍛冶例帳』からみる材料鉄と鉄器加工技術
  二、宮古・八重山の『鍛冶例帳』からみる鉄製品

 沖縄の近代マチ・村落空間や先島の金属文化(鍛冶)研究の重要な文献です。
内容書評については、あらためて紹介します。

« 2011年9月 | トップページ | 2011年11月 »