展示会「木脇啓四郎展」IN 鹿児島市立美術館
私も図録原稿を寄せた薩摩藩文化官僚・絵師である『木脇啓四郎展』が2月13日から3月31日まで鹿児島市立美術館で開催されます。
近代沖縄にも関わりある木脇家です。
沖縄図録に「啓四郎と沖縄・奄美」の原稿を寄せました。昨年まとめた論考(「1880年代近代沖縄と石澤兵吾」『沖縄芸術の科学』24号沖縄県立芸術大学附属研究所、2012年3月附属研究所紀要)が少しはお役にたったようです。
沖縄関係の資料も展示されています。
木脇啓四郎は明治19年から24年まで沖縄県関係の仕事をしています。木脇は『琉球漆器考』で漆器図を写した絵師でもありますが、その他沖縄県立図書館が所蔵する『花草真写図』を描いています。鹿児島大学附属図書館が所蔵する『南島雑話』写本も作成した人物。鹿児島県立図書館所蔵の『沖縄人物図』も出てきます。江戸時代にも活躍するのですが田代安定・白野夏雲と共に鹿児島の近代で博覧会用の絵図を鹿児島・沖縄で描いた絵師です。
沖縄ではあまり知られていない人物ですが、薩摩藩や近代鹿児島、実は1880年代の近代沖縄の博覧会事情や鹿児島との関係、漆器関連の分野で重要な役割を果たす人物。鹿児島大学附属図書館所蔵の<木脇家文書>資料が少しづつ整理されて(まだまだすべてではありませんが)展示会になりました。
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