発表「戦後沖縄における文化政策」 in 川平朝申関連シンポジウム
2013年3月30日にシンポジウム「川平朝申とその時代」が開催され、パネリストで発表をしました。
今回の発表は「戦後沖縄における文化政策ー文化財・博物館・美術・図書ー」と題して戦後1945年~1955年の10年間の文化政策の動向に関して話しました。
その他の発表者のタイトルなどは以下の記事で
http://okinawabunkakougei.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/2012-6bf4.html
生前の川平朝申氏とは、1990年代前半頃に交流があった。マメに電話をされ、ご自宅にも何度か伺いいろいろな話を聞いた。文化人類学を専門に学んでいるという若輩の私に、戦前の台湾での人類学研究会やおもろ研究会の話を、宮古出身だと聞くと地元の宮古の話や、その他赤十字活動の話をアルバムを開きながら話されていた。
著作の詩集もいただいたり…。
当時企画した展示会「親おもろ学派」に関する資料(比嘉盛章関係)を教示されたり…お世話になった大先輩の一人でもある。
生前に交流があると、生生しい記憶が残り<研究会>という形では関われない感情がある。研究対象としての人物ではない。シンポ主催の研究会とは距離を置くことになった。
会場にはご遺族(弟)の川平朝清氏や、氏をよくご存知の先輩方も参加されており、その旨伝えた。皆さんの参加感想などはありがたく、興味深いものであった。
参加した感想であるが、私自身を含め、各発表者にも重要な問題として残るのは、回顧録やオーラルヒストリーの聞き書き(聞き取り側の知識の深さがかなり要求されるのだが)情報を無防備に事実として情報化することは慎重であらねばならないという点は強く印象に残った。
「語り」の中に事実確認をしないまま無防備に認識し、歴史事実として新たに再生産する役割・それを行う立場であることには極力避けたいと、その緊張感はもち続けたいと思う。
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