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2013年6月30日 (日)

歴史家・新里恵二氏(84歳) 訃報

 歴史家で弁護士の新里恵二氏(84歳)が2013年6月19日になくなられたというニュースが、28日の地元の新聞に報じられている。ご存命であったことを知らず、そのニュースに驚きを隠せない。
 1928年沖縄県那覇市若狭生まれ、1949年に第五高等学校中退、東京で比嘉春潮に師事し沖縄歴史・文化の研究を深める。自身では10代の終わりごろリッケルトやヴィンデルバンドに傾倒し和辻哲郎や天野貞治に影響されたと語っている。
 1963年には、政治性でも近い比嘉春潮、霜多(旧姓島袋)正次の3人で岩波新書『沖縄』を発刊している。この『沖縄』は、当時の沖縄文化が広く一般に知られていないため「沖縄の返還運動を全国民的なものにするうえで大きな障害になっている」とした深い思いから、沖縄文化・民俗・歴史の全体イメージと系統的な知識の広がりのために編まれた「概括的な紹介書」 として発刊。以来何度と増刷され、県外の一般の方にも広く読まれた沖縄関係書籍のさきがけではないだろうか。
 その中でも「参考文献について」を新里が担当している。金城朝永が亡くなって以後、1960年代に沖縄文献情報について配慮した記述を心がけた歴史家でもある。それゆえに現在60代の沖縄歴史・文化研究者の多くが、学生の頃からその歴史論を読み影響を受けた存在であり、沖縄の歴史研究の巨人の一人ではないだろうか。単著には『沖縄史を考える』『沖縄県の歴史』などある。
 新里の仕事は、1972年沖縄が日本へ<復帰>した前後にその多くはまとめられている。1960年代70年代の沖縄歴史の牽引者と位置付けも可能である。復帰後まもない時期に発刊された『叢書わが沖縄 歴史篇』では、編者(新里)の独自の視点と知性の客観性からの各論考へ分析する力量が印象として残る。現在読み直しても新たな発見がある。
 その歴史認識は、唯物史観に基づいており、時代の変化の中で、沖縄の歴史を語る中心的な存在からは遠退いていた観があるが、やはり<沖縄歴史研究史>では重要な役割を果たした人物の一人であるには違いないと思う。
 2012年の昨年、<復帰>40年がめぐった沖縄で、改めて氏の著作などに眼を通す機会の多かった時間を過ごし、興味深い指摘も多く勉強になった。
 私自身の無知認識不足なために、生前お会いしてお話を伺う機会を逃したことを大変残念に思う。 
                                  ご冥福をお祈りします。合掌

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