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2013年8月14日 (水)

<時代の空>と<ひこうき雲>ー映画「風立ちぬ」

 Photo宮崎駿監督「風立ちぬ」を観た。
 
大正・昭和期にゼロ戦(三菱AM1海軍零式艦上戦闘機:1940年から3年間ゼロ戦は世界に傑出した戦闘機だった)をデザイン製作した実在の人物(堀越二郎)と、堀辰雄「風立ちぬ」のモチーフを混ぜた人物が主人公のアニメですが大人の映画で、大ヒットしていると…。

 その主人公は、ひたむきに子供の頃からの夢(飛行機つくり)を追いかけ、戦争の時代の中にあっても失敗を経験しながらも戦闘機を製作し続ける。
 
ある意味清清しくもあり。「自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたい」(宮崎監督)そして、その清清しさと共にある狂気にも似た純粋さ…。時代・他者の評価とは距離を置いた<個人のひたむきさ>の刹那ささえも描き出す。40年前にヒットしたユーミン(荒井由美時代)の「ひこうき雲」が主題歌で、映画にシンクロ効果を与えている。。
 主人公の姿は、
好きな世界(アニメ製作)の中でひたむきに生きた宮崎駿監督の姿にも重なるようです。韓国で批判が起こっているようですが、戦争賛美でもなく、その逆ではないでしょうか。堀越ゼロ戦闘機は、衝撃的誕生の1940年から約3年しかその能力が発揮されなかった。終戦後は他国(米軍)の圧倒的な軍事能力の戦闘機の前では、太刀打ちさえできずに…科学技術の<敗北>を味わう歴史を残している。
 映画パンフレットの真ん中見開きいっぱいに飛行機のゼロ戦残骸の広がる紙面(折込見開きということは4頁分)に、クリスティーナー・ロセッティ(訳:西條八十)の「風」という詩がのっていました。有名な詩ですね。

 この映画を作った監督の人生観・時代観が伝わる。ある意味、私達の存在・<生>は、風のように通りすぎる時代を生きているだけなのでしょう。

   「風」

誰が風を 見たでしょう。
僕もあなたも 見やしない。
けれど木の葉を ふるわせて
風は通りぬけてゆく
誰が風を 見たでしょう。
あなたも僕も  見やしない
けれど樹立が、頭をさげて
風は通りすぎてゆく

 飛行機(素材は金属で、金属文化と深くかかわる20世紀の道具)…ゼロ戦に乗っていた若者達も命を落とし、米軍軍用機B29から多くの砲弾が落とされ、原爆投下飛行機のパイロットは、戦後精神を病み。飛行機はどこか<死の匂い>が漂っていると…

 戦後の沖縄では、米軍軍用飛行機やヘリが墜落事故を起こすことも少なくない。9年前の813日には、沖縄国際大学に米軍用ヘリが落ち、数週間前にも訓練中のヘリが同様な事故が本島北部でおき、燃えていました。
 そして2013年8月12日には、沖縄へオスプレイ追加配備されていく。
 
そんな<風>と<ひこう機>の、2013年の夏。
 沖縄に吹く時代の風と、沖縄で観る「風立ちぬ」…複雑な思いが立ち上がる。

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