展覧会「南への風―沖縄・台湾―」展評記事 2014年2月
2014年2月に浦添市美術館で開催された館自主企画展「南への風―沖縄・台湾―」の展評記事を書いた( 2014年2月11日(火)『琉球新報』掲載)。
浦添市美術館は、公立美術館として県内の美術シーンを引っ張ってきた役割を持ち、さらに国内でも数少ない「漆工美術」専門の特徴を持っている。
琉球王府時代の漆工芸研究も牽引してきた機関であるが、近代のモノづくりに関心のある著者にとっては「ようやく」の感がある<近代>をテーマに企画展を開催した。 琉球国消滅から終戦までの沖縄文化・工芸(漆芸・染織・陶芸)と美術(絵画・写真)、そして近代に日本の植民地となった台湾と沖縄のづくりの展示品は、さすが当館のこれまでの活動が結びついたいい展示会であった。展示品も今回初公開の資料、新聞紙面でもトップに取り上げられてもおかしくない写真などなど…。図録も貴重な資料として残る。
台湾を視野に入れた<近代のモノづくり>に関しては、県内初めての展覧会で関係者の努力も大きい。十分楽しめる展示会であった。
私の近代関係論文を多く引用され、その展示視点も多く取り入れられている。浦添市美術館の委員を務めているので、展評記事はあえて辛口なコメントを書かせてもらった。
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