戦後70年目にー沖縄の地で思考する批評家・仲里効の新刊『眼は巡歴する―沖縄のまなざしのポリティーク』(2015年3月10日発売、未来社:発行者・西谷能英)の紹介です。
本の帯に書かれているように著者は「沖縄屈指の批評家」に違いない。また「沖縄へ 沖縄から越境する眼の思考」という言葉通りに、規定し硬直化される<境>への不信(それを「エッジ」とするのであろう)を携えた著者の思考の軌跡(「巡歴)。
沖縄文学論『悲しき亜言語帯―沖縄・交差する植民地主義ー』(未来社・2012)のタイトルにもなった川満信一論「悲しき亜言語帯―川満信一の島と神話ー」、他山之口貘・崎山多美作品日批評の読了後、その批評の思考が<熟成>した感をもった。その後も川満信一論は「消失点、到来する共同隊―「死者的視点」から「異場の思想」まで」(『琉球共和社会憲法の潜勢力』2014、未来社)は重層的な深まりを増していく。その仕事は「沖縄屈指の批評家」の存在感を十二分に発揮したものだった。
そして今回の新刊である。過去の<沖縄批評三部作沖縄映画論・沖縄写真家論・沖縄文学論>以後の映像論(東松照明、山田實、比嘉康雄、大城弘明、岡本太郎、島尾敏雄、森口豁など)をまとめた。特に収録された二つの比嘉康雄論(「無名の造型と母たちのレクエイム」「”シジ”を運び、”シジ”を撮る、結界のメディウム」)はさらに<熟成>度を増し、現時点では追従する比嘉康雄論は無いといっても過言ではない。大城弘明論、山田實論も共に優れた写真家批評である。
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