『沖縄県史 各論編8 女性史 』刊行のお知らせ
2016年3月『沖縄県史 各論編8 女性史』(沖縄県教育庁文化財課史料編集班編、沖縄県教育委員会発行)が発刊されました。
「琉球王国以前から現代までの沖縄の歴史を女性の視点から捉え、論述したもの」で、総論を始め、第1部から第8部、18のコラムで構成されています。
執筆者は、約40名がそれぞれの視点からテーマを追っています。
女性史研究の重鎮たちから若手研究者、多くの女性研究者が執筆しており、なかなか意欲的な県史になっています。
執筆者の中でも、アカデミズムの専門研究者ではなく、報道の取材現場で、地道に取材し、長年取り組んだテーマを、社会への切り口としてジャーナリストの女性たちが書いているのも注目です。
例えば、重鎮の一人、山城紀子(元沖縄タイムス記者)「長寿社会と介護の実態」は、社会と福祉(女性)問題とに長年取り組み、質の高い切り口を常に提示してくれる方です。
そして、澤岻悦子(元沖縄タイムス記者、現財アメリカ在)さんのコラム「戦争花嫁としての沖縄人女性」は、『那覇女性史』(全三巻)の頃から取材活動を続けて、今回も執筆していることは重要な仕事です。
現役記者の謝花直美(沖縄タイムス社記者)さんの、「沖縄戦とジェンダー―総力戦を支えた女性たち―」の内容も興味深いものです。
『沖縄県史 女性史』は一般にも有料で販売する予定。既刊の新聞資料集成の女性史関連記事と合わせてご覧ください。
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