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近代沖縄文化研究会

2014年12月 5日 (金)

末吉安恭(麦門冬)の従来研究

末吉安恭のこれまでの研究の流れを紹介します。

*没50年(1974)以前→大城立裕『沖縄の百年第1巻 近代沖縄の人びと』「末吉麦門冬」で取り上げた(1969年)。人物紹介としては先駆けの仕事になる。

*没60年(1984)→実弟・末吉安久氏:著作集刊行計画。岡本恵徳・仲程昌徳・新城栄徳・伊佐眞一(『琉文手帖2号』)

* 没70年(1994)
→仲程・岡本恵徳・新城『沖縄近代文芸作品集』新沖縄文学別冊、1991)、粟国恭子(タイムス紙面連載36回・新聞資料発掘・南方熊楠資料・『球陽』写本・絵葉書)

* 没80年(2004)
→新城栄徳、南方熊楠(安恭書簡):池宮正治・崎原綾乃・小峰和行、粟国恭子論文(鎌倉芳太郎との交流)など。沖縄県立芸術大学附属研究所沖縄学講座でも担当(粟国) https://aguni-kyoko.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-49ca.html 

* 没90年(2014)→新城「琉文21」サイトで情報アップ。関連図書刊行への動き(今回の研究会)

 その他の末吉安恭関連の記述・刊行物は、ほとんど上記研究成果を参照に書かれています。2014年11月29日開催の公開研究会のパネリストの紹介。

1
、仲程昌徳(なかほど・まさのり)1943年 南洋テニアン島カロリナス生まれ。
 □所属・専門領域:元琉球大学教授(1973年~2009年同大学勤務) 近現代文学
□主な論文・著作『沖縄近代史詩研究』(新泉社、1986)、『伊波月城―琉球の文芸復 興を夢みた熱情家』(リブロポート、1988)、『沖縄の文学―1927年~1945年』(沖縄タイムス社、1991)、『新青年たちの文学』(ニライ社、1994)、『宮城聡―『改造』記者から作家へ』(ボーダーインク、2014)など

、伊佐眞一(いさ・しんいち)1951年 那覇市首里生まれ
□所属・専門領域:近代沖縄史家。1975年琉球大学法文学部経済学科卒。1977年〜2012年琉球大学在職。1981年〜82年カリフォルニア大学バークレー校在籍。近現代沖縄史・思想史
  □主な論文・著作:『アール・ブール― ―人と時代』(私家版、1991年)、『大田朝敷選集』(全3巻、第一書房、19931996年)、『謝花昇集』(みすず書房、1998年)、『伊波普猷批判序説』(影書房、2007年)など。その他、「沖縄と

日本

ヤマト

との間で―伊波普猷・帝大卒論への道」(『琉球新報』2010
10月〜2014年8月、140回連載)
 
3、阪井芳貴(さかい・よしき)
1957年 東京生まれ
 □所属・専門領域: 名古屋市立大学大学院人間文化研究科 教授 日本民俗学・日本文学・折口学
   □主な論文:「昭和戦前期の本土における沖縄芸能の受容」(2005)、「折口信夫と沖縄学と-折口信夫が沖縄で出会った人々-」(2006年)など。
 
4、粟国恭子
(あぐに・きょうこ)1963 宮古島(旧平良市)生まれ
□所属・専門領域:沖縄県立芸術大学附属研究所共同研究員、沖縄国際大学・沖縄県立芸術大学非常勤講師、沖縄文化・工芸研究所主宰 文化人類学、沖縄近現代文化史
   □主な論文・著作:「伊波普猷と末吉麦門冬(安恭)の交流」『浦添市立図書館紀要№8』(1997)、「南方熊楠と麦門冬」『文学第8巻第1号』(岩波書店、1997)、「近代沖縄の芸術研究①―末吉安恭(麦門冬)と鎌倉芳太郎」(『沖縄芸術の科学』第19号』、2007年)、「人物列伝・沖縄言論百年-末吉麦門冬1~36」『沖縄タイムス』(1994年8月11日~9月30)など

5、崎原綾乃(さきはら・あやの)
1977年 沖縄市生まれ
□所属・専門領域:沖縄県立芸術大学附属研究所共同研究員 琉球芸能史
□主な論文・著作:「南方熊楠宛 末吉安恭の書翰」翻刻(共著)、「末吉安恭の書簡 解題」(以上、『南方熊楠の学際的研究プロジェクト報告書』奈良女子大学大学院、2004) 

6、新城栄徳(しんじょう・えいとく)1948年 粟国島生まれ
□所属・専門領域:「琉文21」主宰、『琉文手帖』発行人 好事家

 □主な論文・著作:『琉文手帖1号 日本画家・金城安太郎-琉球風俗画60年―』(1984)、『琉文手帖2号 文人・末吉麦門冬―没60年―』(1984)、『琉文手帖3号 歌人・山城正忠』(1985)、『琉文手帖4号 沖縄近代文化年表―18681945(1999)

2014年12月 4日 (木)

末吉安恭没90年企画「近代沖縄における思想と文化の表情」

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 2014年11月25日は、明治・大正期に沖縄で活躍した人物・末吉安恭(麦門冬)の没90年にあたる。その記念の公開研究会「近代沖縄における思想と文化の表情」を企画主催し、運営 ・事務局も担当している。
 11月29日(土)午後1時~6時、沖縄県立博物館・美術館博物館1階講座室で開催した。
この研究会の広報記事は、新城栄徳『沖縄タイムス』11月26日、粟国恭子『琉球新報』11月27日紙面で掲載された。司会は粟国恭子。

 今回のパネリストは、この30年、末吉安恭の研究に従事してきたメンバー。
*仲程昌徳(近現代文学)「大正期の文学と末吉安恭」
*伊佐眞一(近現代沖縄史・思想史)「近代沖縄の新聞と末吉麦門冬」
*阪井芳貴(日本文学、折口学)「近代沖縄における文化研究」
*粟国恭子(歴史民学、近現代沖縄文化史)「末吉安恭と民俗学・民族学ー柳田国男・折口信夫・南方熊楠から金城朝永へ」
*崎原綾乃(琉球芸能史)「近代沖縄における琉球芸能の実践と末吉安恭」
*新城栄徳(好事家)6名。
 会場参加者は約100名の方が参加し、発表及び意見交換など和気藹々とした雰囲気で有意義な時間でした。多くの参加者から好評の意見をえた。
 大きな問題は、末吉安恭の文章など刊行物が1冊もないことで、早急に対応しなければならない課題が確認された。安恭研究者の社会的な責任かもしれません。
 厳しい出版業界にあって、どのような方法があるのかも可能性を探る意味も研究会を開催の目的のひとつになっている。

 さて、本来ならば余り記述などしたくないのですが…誤解のないようにあえて記すことにしました。
 この企画に対する反応・問合せの中に、「どこから予算を確保して活動しているのか」「何らかの予算があっての活動だろう」という声が少なくない。
 まったくの誤解なのであえて記しておくが、昨今の沖縄は一括交付金など公的な費用で、いろいろと文化事業や企画が目白押しでそれが主流の活動状況である。沖縄振興策として政府から降りてきたよさんである。
しかし、あえてそうした予算からも遠い位置を取り、「いかに自立した活動を展開するか」という事が重要に思う。そのスタンスで、今回は近代沖縄研究会を立ち上げ、その主催者として自費運営をしている。
 この自立した活動展開は、過去2回開催された「戦後沖縄研究コロキウム」の活動に関しても同様である。
 自由な活動は肩に力を入れなくてもよく、また楽しい。しかしそれがゆえに、刊行物などの実現にも苦労するわけで…。