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沖縄近現代史

2023年2月 1日 (水)

「敗戦と<愛の教具>」『しまたてぃ』103号

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「復帰50年」目の2022年に『しまたてぃ』に「復帰の源流を探る」特集連載の5回目(最終回)が掲載された103号が刊行されました。今回のテーマは「敗戦と<愛の教具>」です。

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2022年12月15日 (木)

仲里効『沖縄戦後世代の精神史』刊行

 

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 「復帰」50年目の2022年は様々な企画が展開された。
  個人的にも敗戦後10年間の沖縄文化について多くの文章を発表したが、著作刊行物の中で年末に刊行された仲里効『沖縄戦後世代の精神史』(未来社)によって「復帰」とその後の50年を考える事が出来て良かったと思う。
 沖縄の敗戦後の精神史や思想史に重要な著作となる。沖縄の50年代から60年代初めに言論活動をした世代と著者の60年代後半から70年代若者だった世代の違いやその変化、「沖縄」をめぐる言説の状況について取り上げた沖縄の人々の言葉に向き合う。上質な評論である。
 1部旅する〈沖縄〉、残影のチジュヤー で取り上げられたのは中屋幸吉、友利雅人、松島朝義、佐渡山豊、島尾伸三 、6本の評論
 2部地図にない邦へのジントヨーで取り上げられたのは真久田正、上間常道、金城朝夫、川田洋、伊礼孝・木下順二・谷川雁の5本の評論

2022年11月 3日 (木)

「敗戦と文化財⑵ー略奪・返還、文化再建・贈与の物語ー」『しまたてぃ』102号

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 戦後10年間の敗戦後の沖縄文化状況を取り上げた連載「復帰の源流を探る」シリーズ4回目 粟国恭子「敗戦と文化財⑵ー略奪・返還、文化再建・贈与の物語ー」の掲載された『しまたてぃ』102号が発行されました。(2022年10月発行、しまたて協会)。

 敗戦後の日本の文化財行政と比較して、1953年サンフランシスコ講和条約で引き続き米国施政権下におかれた沖縄の文化財行政は、直面する問題と課題も異なるあり様を示す。敗戦後米軍側に略奪され流出される文化財について「略奪」という強い表現を使用できないまま、それでも沖縄の文化行政担当者や若者や有志は、それぞれ戦禍で失った文化財にコンタクトしている。それに応じて日本の戦前からつながった沖縄文化研究者たち(民藝同人、G・H・カー、金関武夫、伊東忠太、鎌倉芳太郎など)が贈与・購入対応の活動をしている。
- 本稿は2013330日「川平朝申とその時代」シンポジウム 粟国恭子「戦後沖縄の文化政策をとらえる視点文化財・博物館・図書・美術」発表内容に加筆している。県立博物館所蔵品関連情報は当時提供された情報である。

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2022年8月15日 (月)

『沖縄県史 各論編7 現代』(2022年7月)発行

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 復帰50年目の2022年7月15日に『沖縄県史各論編7 現代』(沖縄県教育委員会 約740頁)が発行されました。
 6部構成の目次に40名余の執筆者が担当しています。
私は、1945年から約10年間1955年の期間を扱う一部で執筆を担当しました。粟国恭子「初期占領政策における〈教育〉と〈文化〉」(89頁ー107頁:沖縄戦と教育、教育政策ー戦後教育のはじまり、文化政策と文化活動ー沖縄文化の再構築、戦後のメディアと言論統制ー新聞を中心にー」。依頼内容と指定頁数に大変苦労して、自身歯がゆい部分が残りました。
 現代の歴史の記述・事実認識、取り上げる用語の概念認識は、執筆者各自(歴史専門以外の執筆者が多く)で判断されていて、全体・全編で共通共有されず、認識記述に凹凸感があります。
 時間がながれ後世の研究者の判断を期待したいですね。

2022年8月 1日 (月)

連載「敗戦と文化財(1)」『しまたてぃ』101号発刊

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 『しまたてぃ』102号のシリーズ復帰の源流を探る連載の3回目「敗戦と文化・文化財(1)ー破損・焼失した国宝をめぐって」が掲載されました。1945年沖縄戦では多くの人命と5世紀余の歴史的文化財が戦禍によって破損・焼失しました。戦後10年間の米国占領政策や沖縄側の文化財に関わる活動を紹介しています。失われた文化財は戦後77年以上たってもすべてが再建されているわけではありません。
 掲載内容は、2013年3月開催された「川平朝申とその時代」シンポジウムで、粟国恭子「戦後沖縄の文化政策を捉える視点ー文化財・博物館・図書・美術」発表内容を文章化したものです。
 今年はロシアによるウクライナ侵攻のニュースでも、歴史的な街並みが戦禍に破壊されていく風景を見ながら、沖縄の現代史を考えずにはいられません。

2019年7月 1日 (月)

国場幸太郎『沖縄の歩み』復刻刊行記念シンポジウム のお知らせ

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  国場幸太郎『沖縄の歩み』復刻記念のシンポジウムのお知らせです、
*期日 2019年7月13日(土)午後3時~午後6時30分
*会場 浦添市社会福祉センター3階
*資料代 500円
*内容 弟1部 基調報告: 新川明「「沖縄解放論の継承と課題」
       報  告: 仲宗根勇「私の思想”遍歴”における国場幸太郎」
       報     告:島袋まりあ「沖縄における非合法、Aサイン業者、マルクス主義
    弟2部 ディスカッション  コディネーター 仲里効

*主催 同シンポジウム実行委員会

2019年5月20日 (月)

〈「宮古」をめぐる写真文化史ー終戦直後を中心にー〉

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一般社団法人フォトネシア沖縄が開催している沖縄写真史講座で発表します。
昨年6月にも、沖縄戦中及び終戦直後の時期の沖縄本島周辺離島の写真をこの講座で発表しました。
昨年の発表の一部は記事にしました(「『YUNK』の中の沖縄」『しまたてぃ』2019年4月発刊)。

今回は、出身の宮古島の戦後状況をふまえて「<宮古>をめぐる写真文化史ー戦後直後を中心にー」で発表します。
チラシも自身で作成。使用した写真は私が2016年3月に撮影した宮古の風景です。

テーマ:「宮古」をめぐる写真文化史ー終戦直後を中心にー
期  日;2019年5月25日(土)18:00~19:30
話  者:粟国恭子(大学非常勤講師・沖縄文化・工芸研究所主宰)
場  所:INTERFACE-Shomei Tomatsu Lab
参加費:500円

2018年11月 5日 (月)

鎌倉芳太郎の残した琉球芸術写真『しまたてぃ86号』

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 2018年10月に発刊された『しまたてぃ』No86に「鎌倉芳太郎が残した沖縄文化・芸術写真」(粟国恭子)を寄稿しました。編集・発刊は一般社団法人沖縄しまたてぃ協会。
 季刊誌でもある『しまたてぃ』は、今年の表紙写真に大正期に撮影された鎌倉芳太郎の沖縄文化財の写真を採用しています。

 表紙の写真を残した鎌倉芳太郎と沖縄の関係、その写真資料の意義などを紹介する内容となっています。構成は以下
 1、鎌倉芳太郎と沖縄文化
 2、琉球芸術と鎌倉写真
 3、写真と技術ーそのように撮影されたかー
 4、鎌倉写真と時代の評価

 内容詳細は、粟国恭子「鎌倉芳太郎と写真ー琉球芸術写真の文化史ー」『沖縄芸術の科学』27号、沖縄県立芸術大学附属研究所紀要に2015年に発表された論文の概略にもなっています。
 紀要掲載の論文は附属研究所HPにデジタル版でご覧になれます。
 

2018年4月21日 (土)

「ミシンをめぐる沖縄技術史」 4回目 『しまたてぃ』84号

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雑誌『しまたてぃ』(編集・発行:沖縄しまたてぃ協会、年4回発行)に連載してきた粟国恭子「ミシンをめぐる沖縄技術史」も84号(2018年4月)で最終回です。
 今回は、<時代の技術④ー1960年代~1972年前後>のミシンをめぐる沖縄社会のあり様をまとめました(40-43頁)。
 連載の4回ともに課題の多いテーマであることを確認しました。

『しまたてぃ』84号の表紙写真は、大正年間に鎌倉芳太郎撮影の沖縄の「円覚寺仏殿」。沖縄戦で消失した16世紀の琉球文化遺産の一つでした。

2018年2月 1日 (木)

「ミシンをめぐる沖縄技術史」三回目『しまたてぃ』83号

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 昨年から季刊誌『しまたてぃ』(一般社団法人沖縄しまたて協会発行)紙面で連載している「ミシンをめぐる沖縄技術史」の3回目が掲載された83号・若水号が発行されました。
 今回は、「ー時代の技術③終戦直後~1950年代ー」の沖縄におけるミシン事情をまとめました。特に終戦直後の宮古島のミシン事情については、先行研究もないので事実確認としても重要な情報ではないでしょうか?
<内容構成>
1、宮古とミシンの物語ー終戦直後ー
 1)終戦当時の宮古群島
 2)待ちわびる戦後配給物資と女性の労働
 3)終戦直後の宮古の洋裁講習所
2、市場と衣料・手作りの<簡単服>販売
3、モダンファッションと洋裁(ミシン)技術
4、1950年代のミシン税
5、ミシンと阿旦葉製品

 『しまたてし』83号から表紙写真は鎌倉芳太郎が記録した琉球芸術写真」シリーズで、83号は旧円覚寺山門の写真です。旧円覚寺は臨済宗総本山(山号は天徳山)で第二尚氏王統歴代の菩提寺です。荘厳な建築の山門も戦禍で失われています。

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